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2017年07月17日

「バファリンを飲んでいます」とは何を飲んでいるのか?

「日頃、何の薬を飲んでいますか?」


病院や調剤薬局でよく質問される。
どんな薬を飲んでいるかという情報は、
治療をする上で重要な情報となる。



「バファリンを飲んでます」




そう答えたとして、
それで服薬歴として「バファリン」と書いておくことは
果たして妥当といえるのか???

医療機関で処方された「バファリン」であれば、
それはバファリン配合錠A330か、バファリン配合錠A80のどちらかで、
どちらもアスピリン製剤である。


ところが市販薬の「バファリン」となると
事はとたんに複雑になる。

「バファリンA」であれば、主成分は
アセチルサリチル酸なのでアスピリン製剤だ。

「バファリンプレミアム」となると、
イブプロフェンとアセトアミノフェンの合剤。

「バファリンEX」では
ロキソプロフェンナトリウム・・ロキソニンと同じ成分。

同じEXでも「バファリンかぜEX」では
風邪の諸症状を抑える成分にプラスしてイブプロフェンが入っている。




その他にも種類があるが、
患者にとって「バファリン」は「バファリン」でしかなく、
それが「EX」なのか「プレミアム」なのか、
そんな区別まで覚えてないのがほとんどだ。





セルフメディケーションの時代。
つまり、自分自身の健康に責任をもち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること・・・
それが時代の要請でもある。

しかし、あまりにも複雑で、医療従事者でも
混乱するような先発品だの後発品だの一般名処方など・・
複雑怪奇な医薬品の名前に翻弄されているというのに、
これに市販薬のテキトーなネーミングまで混じると
いよいよ訳が分からなくなる。

嫌がらせではないのか・・と思いたくなるほどだ。
posted by すだち at 16:50| 岡山 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 医療関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月29日

日本在宅医学会〜第2回地域フォーラムin岡山に行ってきた。

ご無沙汰でっす( ̄(エ) ̄)ノ よー

・・・年度の初めから、
まぁいろいろ仕事はテンコ盛りで。


そんな中〜






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先日、日本在宅医学会の
第2回地域フォーラムが岡山で開催されたので行ってきた。



なかなかいい学びがいっぱいできたが、
心に残ってるところをいくつか・・・



●ドクターの役割とは?

これ実は医師法の第一条に書かれている。

[医師法第一条]
医師は、医療及び保健指導を掌ることによつて公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。



ぉぉ〜と思ったね。
個々の患者の病気や怪我を治すってだけのことじゃなくて、
公衆衛生の向上やひいては
国民の健康な生活を確保するのだとか。

ちゃんとそう考えて仕事している医師ってどれくらいいるだろうか・・・




●多職種協働

いろいろな職種が協働して、チーム医療で。
それを実践していくためには、
他の職種の仕事内容もちゃんと知っておく必要がある。
お互いが知っていなければうまくいかない。

相互理解

ここ最近、非常によく思う部分なので、
しっかりと理解を深めていきたい。
理解を深めるためには、
しっかりと他の職種とも協力関係を築かないと。
縦割りじゃだめってこと。




・・・ただ、もう一つの側面として、
多職種協働がすべてではないということも知っておくべき。

都会の大病院ならまだしも、
地方の中小病院やクリニック、
へき地の診療所など・・・・

多職種協働だけではどうにもならないこともある。
人が少ないのだから多職種ではなくて“少”職種ってこともあるからだ。





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その他、サイボウズ社長と岡山県知事との対談も見ごたえがあった。

子育ては未来への投資。

だから育児休暇って、休暇じゃないんだよね。
それも立派な仕事なわけで。

そういう風土を作っていかないといけない。


「100人いれば100通りの人事制度があってよい」
女性だからとか男性だからとか、
若いとか年寄とか・・・
そんな枠に捉われず、人それぞれに合わせた形。

なるほどね〜
posted by すだち at 17:24| 岡山 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 医療関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月15日

Functional Dyspepsia

「胃の調子が悪い」「なんだか胃がもたれる」「胃が痛い」
こんな症状を訴える人って多い。


もしかしたら胃潰瘍?
まさか・・・胃癌??


きゃー怖い\(〇_o)/

・・・と思って病院に行って、
バリウム飲んだり、胃カメラなど検査をしてみたけど、
結局、症状の原因になりそうなものは発見されず・・・

「まぁ、ストレスでしょう」とか、
「神経性胃炎でしょうなぁ」とか、

なんだか分かったような分からないような説明をされる。
そして、

「ストレスを溜めないようにしましょう」

・・・などという、
現代社会で生きる人には到底無理だろっo(>< )o o( ><)o
みたいなアドバイスを受けて終了。

どうすりゃいいの??(j oj)





こんな経験をされた方、多いのでは?
私もそんな一人ですが・・・(^^*ゞ


病名としては先にあげたような
神経性胃炎と言われたり、
慢性胃炎とか胃けいれんとか胃下垂とかってついたりするが、
明確に検査でハッキリと分かるわけではなくて、
症状など臨床的に判断して、
医者がテキトーに病名をつける(ぉ



最近では、以上のような胃部の不快な症状があるにも関わらず、
検査をしても原因になりそうな病変が見つからないとき、
機能性胃腸症とか機能性ディスペプシアと呼んだりする。


機能性ディスペプシアは
英語表記はFunctional Dyspepsiaなので「FD」と略す。

特徴的なのは、
30代から50代の比較的若い人から中年に多い、
男性よりも女性に多い、
発展途上国よりも先進国に多い
と言われている。

近年の調査では、
日本人の4人に1人がFDと言われるほどで
現代病の一つってことになるかなぁ。

そもそもFDという病気の概念は、
ごく最近になって確立されたもの。



以前は心身症の一種とされて、
「気の持ちよう」とか「神経質だから」で片づけられていたものが、
最近の研究では、胃に対する刺激を
脳が過敏に感じているものとして、
脳内の神経伝達物質がなんらかの影響を及ぼしているのでは??
・・・みたいなことが言われている。





ところで「ディスペプシア」って何かというと、
胃痛や胃もたれ、吐き気などの
消化機能が低下しているように感じる症状の総称。

では、「機能性」ってのは・・・



「体調が悪い」とか「〇〇が痛い」といった場合に、
それを疾患として大きなくくりで分けると、
“器質的疾患”と“機能的疾患”に大別することができる。

器質的疾患とは、
生体組織自体に異常が生じた疾病の総称で、
例えばレントゲンやCTとかなどで、
明らかに病態が確認できるものを言う。

機能的疾患とは、
生体組織に異常が見当たらないが、
臓器や器官などの動きが低下したり、
なんらかの症状が生じるものを言う。











以前、ここで紹介したPrecordial Catch syndrome(前胸部キャッチ症候群)も
機能的疾患の一つ

Precordial Catch syndrome(2015/04/27)








機能的疾患は、
命に関わるような病気ではないことから、
いままであまり注目されていなくて、
研究自体も進んでいない分野であったが、
症状のせいで社会生活に支障を来たす場合もある。

最近ようやくちょっとずつ、
これらの病気も解明への道が見えつつある。
posted by すだち at 23:59| 岡山 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 医療関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月15日

新しい健康概念を押さえておくことが診療報酬改定を解くカギになる。

先日、厚労省より平成28年度の
診療報酬改定の基本方針が出された。


その中にこんな一文がある。
「高齢化の進展に伴い疾病構造が変化していく中で、「治す医療」から「治し、支える医療」への転換が求められるとともに、健康寿命の延伸の観点から予防・健康づくりの取組が重要となってくる」



病院とは治療するところ。
「病気や怪我を治したい」
患者さんの思いの多くはそこにある。


でも、医者は魔法使いでもなければ神でもない。
医療が発達した現代社会においても、
治せない疾患は数多くある。
誤解を恐れずに言えば、
ほとんどの病気は実は治せない。


慢性疾患・・・糖尿病や高血圧など・・・
いろんな治療法があるが、
完治させることができるわけではないし、
人は病気とともに生きていかなければならない。



こう考えたときに、
「そもそも健康って何だろう?」って。




健康という概念は時代とともに変わっている。
WHOが設立された1958年に、
健康概念についてこのように提唱された。

「健康とは、身体的にも精神的にも社会的にもすべての要素が揃った良好な状態のことをいい、単に疾病や虚弱ではないということではない」


例えば高齢者ならどうか。
多かれ少なかれ、なんらかの疾患を有している方が多く、
すべてが揃うのはなかなか難しい。
この定義でいうならば、
高齢者は皆(あるいは大部分の方が)、不健康ということになる。
果たしてそうなのだろうか?






WHOは1999年に新たな健康概念についてこのように提案している。

「健康とは身体的・精神的・霊的・社会的に完全に良好な動的状態であり、たんに病気あるいは虚弱でないことではない」
(Health is a dynamic state of complete physical, mental, spiritual and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.)


日本語訳にしてしまうと、
どうしても違和感を感じてしまう方もいると思うので、
ここでは英語の原文も併せて。

たぶん、日本語で分かりづらいのは
「霊的」と「動的状態」かと思うのですこし解説を。

「霊的」(spiritual)
霊的なんていうとなんだか宗教じみていて、
なんのことだか分からない感じであるが、
spiritualには、やる気とか前向きとか生きがい・・そんな意味合いが含まれている。
なので、ざっくりと意訳するならば「心豊かな状態」といった感じ。

「動的状態」(dynamic state)
そもそもなにが動的なのかというと、
健康であることと、疾病があることは、
常に変化しているものであって、
大きな視点で健康状態を捉えることを意味している。









つまり、
たとえ病気があったとしても、
たとえ体が不自由だったとしていも、
いきいきと充実した楽しい生活を送っていることこそが
「健康」といえるのではないだろうか?



一病息災
「持病が一つくらいある方が、無病の人より健康に注意して、かえって長生きであるということ」(広辞苑)





長く生きていれば、
誰しも怪我をしたり病気もする。
しかし、それは人生の中のマイナス要因ではなくて、
大きな視点でdynamicに捉えれば、
「一病息災」的に病気を受容し、
もっともっと前向きに心豊かに「spiritualに生きる」ことに
繋がっていく。
「健康」とは主観的であって個別的なものであり、
一人ひとりのwell-beingを実現する世界へ。




2025年問題を考えるうえで、
「健康とは何か?」をしっかりと捉えること。
ここを押さえておかないと、
今後の診療報酬・介護報酬の改定の意味が理解できなくなる。

posted by すだち at 23:59| 岡山 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 医療関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月03日

「患者申出療養」制度についてまとめておく。

まず、自由診療と混合診療について。

「自由診療」とは、公的な医療保険の枠外の診療であり、患者と医療機関との個別に契約を行ってなされる診療で、美容整形や歯科のインプラント、国内で未承認の海外医薬品の処方、未承認の治療法の実施などが挙げられる。自由診療は「自由」な契約によってなされるものである。

「保険診療」を受ける場合、「初診から治療の終了に至る一連の診療行為の中に、保険がきく診療行為と保険がきかない診療行為を混在させてはならない」というルールの制約を受ける。つまり「保険診療」と「自由診療」が混在する「混合診療」は原則として禁止されている。

「混合診療」は原則禁止であるが、ある一定の条件のもと認められている混合診療がある。一つは「評価療養」で、先進医療や治験などがこれにあたる。もう一つは「選定療養」で、入院中の差額ベッド代、歯科のインプラント、大病院での初診、制限回数を超える医療行為などがある。










2016年4月より「患者申出療養」が創設される。事実上の混合診療解禁とも言われている(厚生労働省は「無制限に解禁するものではない」としている)。患者からの申出により、審査の上で承認されれば、混合診療で治療を受けることができるようになる。

「患者申出療養」のメリットは、日本で承認されていない治療法が選択できるなど治療の選択肢が広がることが挙げられる。デメリットとしては、エビデンスの無い治療が安易に乱発されることによる健康被害などが起きる危険性があることが挙げられる。

「患者申出療養」で、お金のある人は選択肢が広がるが、お金の無い人は新しい治療が受けられないといった不公平感もある。選択肢が広がることで、「お金さえ払えばよりよい医療が受けられる」との声があるが、「金額が高い≠よりよい医療」であることを理解しておく必要がある。

未承認の治療法は、有効性や安全性が確立されていないので、受けるべき治療法かどうかを正確に判断する必要があり、そういった治療法に精通した理解ある「かかりつけ医」の存在が不可欠であり、安易にそういった治療法に飛びつくことの危険性があることも知っておきたい。
posted by すだち at 19:47| 岡山 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 医療関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする