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2018年02月04日

医師のつけた病名が「乳房外パジェット病」であったら〜

診療情報管理士として働いている中で、
どういうふうにコーディングしているのか・・・

話題の特集「突撃、隣りのHIM」のお時間がやってまいりましたね(なにそれ

まずは、ある日の診療内容をみてみましょ。



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「陰茎部(陰茎体部)に発赤・びらんがある」と訴え来院。
陰茎体部に難治性皮膚潰瘍認めた。
皮膚生検し病理検査。
ラボより「Paget diseaseの疑いあり」とのことで
免疫染色追加。

病理組織の結果、
Extramammary Paget diseaseの確定診断。

医師のつけた病名:乳房外パジェット病

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パジェット病は別名ページェット病とも呼ばれとりますが、
まず臨床医学の基礎知識として、
「乳房パジェット病」と
「乳房外パジェット病」の二種類があって、
その他、同じ名前でも骨の慢性疾患である「骨パジェット病」や、
似た名前の「ベーチェット病」とは違うってことは把握しておきたいところ。


「乳房パジェット病」は
1984年にパジェット氏が報告したことで命名されたもので、
乳房に発生する上皮内癌の一種。

その後に、
外陰部でも同じような組織をもつ病変が発見されたため、
それを「乳房外パジェット病」と名付けられた。


・・・ここまでを知っておいた上で、さあコーディングを。


「乳房外パジェット病」を病名マスターで検索すると・・・

C44.9皮膚の悪性新生物<腫瘍>、部位不明


この病名だと“乳房以外の別の場所”という意味になるので、
部位不明コードが選択されてしまう。
そもそも部位は陰茎部と分かっているので、
コードを付け直す。

第1巻(内容例示表)でC44を眺めてみると・・・・

C44皮膚のその他の悪性新生物<腫瘍>
除外:性器の皮膚(C51-C52、C60.-、C63.-)




この中で陰茎部を探すと

C60陰茎の悪性新生物<腫瘍>


カルテをよくみてみると
陰茎体部だと書いてあるので、

C60.2陰茎体部


を選択。


ここまでが一連の流れですな。

ポイントは
☀臨床医学の知識が必要。
☀現場では第3巻(索引表)は使わずに病名マスターを使うのが一般的。
☀第1巻(内容例示表)で必ず確認すること。


特にコードが.9で終わる場合、
「詳細不明コード」であることが多いので、
もっと適切なコードがあるのではないかーと疑問に思って
内容例示表に立ち返る作業が必須。

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※この記事で使用したICD-10は2013年版
posted by すだち at 12:12| 岡山 ☀| Comment(0) | 診療情報管理士 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月23日

第43回日本診療情報管理学会学術大会・札幌

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9月21・22日と、
札幌コンベンションセンターで学会が開催された。

昨年の東京では、
会場全体が広すぎて動線が長いし、
一つ一つの会場は手狭という使い勝手の悪さが際立っていたが、
今回の札幌はコンパクトにまとまっていて、
それぞれの会場もそれなりの広さでよかったなぁ。
無駄に広すぎる会場もあったけど(^^;;)



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20日

午前中は仕事。
昼から電車でGO〜(各駅停車
三ノ宮からポートライナーに乗って
マリンエア(神戸空港)。

ここでプチ壮行会(酒飲み)してから、
スカイマークで新千歳へ。

高校の修学旅行以来という○○年ぶりの北海道入り。
札幌で前夜祭(酒飲み)。




21日

会場まで歩いて行ける(徒歩7分)という立地のホテルで、
近いからいいね〜と思っていたのだが、
スーツで革靴だと微妙にキツイ距離(笑

大会長講演→学生セッション→ランチョンセミナー
→一般演題巡り

その後は学会懇親会に参加して、
挨拶巡りしてから途中退席・・
場所を移動してノンオフィシャルな懇親会へ
〆にはラーメンという流れ。なかなかハード(^^*ゞ




22日

ホテルでゆったりした後は、
生涯教育研修会のモーニングセミナーから。
一般演題巡り→ランチョンセミナー→一般演題巡り

例年、学会の二日目って二日酔いで
あまりウロウロしないんだけど(ぇ
今年は意外と元気だったもので、
精力的に動けた(^∇^) アハハ!




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学会の終わり頃、コングレスバッグを「記念にどうぞ」って配ってた。
相当数余ってたみたい・・・(°д°;;)




帰りの飛行機の時間の関係で
閉会式はパスして新千歳空港へ。
空港は人でごった返していて、
飛行機に乗れたのは出発時間の1分前という際どい感じに・・
帰りは岡山への直行便だったので、
あっという間に帰宅できた。

盛岡学会の時とかは陸路のみを使ったので、
移動だけで体力の消耗がかなりあったが(照
札幌のほうが空路を使うだけ、
時間も早いし意外に楽だったな。




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内容的なことでいうと・・・

地域包括ケア病棟の経営分析

全国がん登録への取組み

疾病構造の変化

・・・この辺りがキーワードだったかなと。



診療報酬・介護報酬の同時改定が来年にせまり、
医療や介護を取り巻く状況も
高齢社会になる中で変化を余儀なくされていて、
その中で診療情報管理士がどう立ち振る舞うのか。
どんな役割があるのか。

HIMの業務って、
どんどんと多様化している。
スペシャリストになるのか、ゼネラリストになるのか・・
そんな議論もあったりするんだけど、
他の医療従事者とは違った立ち位置で、
潤滑油的な役割ができるってのが、
ものすごく大きな意味があると思ってる。

学生さんのセッションのときに
座長がこんな質問をした。
「HIMのこれはっていうウリは何だと思いますか?一言で」

発表者の学生さんは少し考えたのちに
「『繋ぎ』です」と答えてた。

とっさにそんな言葉が出るのがすごいし、
HIMの未来が見えた気がした。






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【過去の診療情報管理学会】

第42回日本診療情報管理学会学術大会・東京(2016/10/17)
第41回日本診療情報管理学会学術大会・岡山(2015/09/19)
第40回日本診療情報管理学会学術大会・盛岡(2014/09/16)
第39回日本診療情報管理学会学術大会・つくば(2013/09/15)
第38回日本診療情報管理学会学術大会・名古屋(2012/09/08)
第37回日本診療情報管理学会学術大会・福岡(2011/10/06)
第35回日本診療情報管理学会学術大会・浜松(2009/09/19)
posted by すだち at 15:50| 岡山 ☁| Comment(0) | 診療情報管理士 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月12日

大学4年間シリーズに統計学がっ

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このシリーズは文量が少なめで、
一ページが一つの単元なので、
とっつきやすい。

そんなシリーズに統計学が登場っ!











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「わかりやすさで東大生に評判の授業が1冊に凝縮」

帯にはこのように書いてあるが、
「わかりやすい」と言ってるのは東大生なので、
一般の人に分かりやすいのかというと・・・(^^;;)

数式も書いてあるが最小限に抑えてあるので、
数式アレルギーの人にはよいかもしれない。
しかし、専門用語がどんどんと出てきて、
解説が細かく書かれていないので、
ある程度の知識があることを前提で書いてある感じ。

まったくの初心者がこの本に入ると、
チンプンカンプンになる恐れが\(>o<)/

それでも、とてもよくまとめてあるので、
知識の総復習的にはちょうどよい具合。









大学4年間の統計学が10時間でざっと学べる-単行本


【統計学に関する記事】

EZRで統計解析(2016/01/11)
【統計学】ピーチピチなP値(2015/06/24)
統計学との付き合い方(2015/05/16)
データに騙される人たち(2015/04/21)
分散で悩む(2014/03/05)
診療情報管理士が「医療統計学」を勉強するために有益な本を紹介します。(2013/11/07)
【診療情報管理士のための“もっと”やさしい医療統計学】「平均値、中央値、標準偏差、四分位範囲」(2013/04/24)
統計学は気づきの世界〜統計学への序章〜(2011/07/06)
posted by すだち at 23:49| 岡山 ☁| Comment(0) | 診療情報管理士 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月21日

第19回瀬戸内医療情報ネットワーク(せとねっと)勉強会

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19日(土)に
せとねっと勉強会が福山で開催された。




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第1部<特別講演>
「心理士が語る、セラピストの世界」




精神科の心理士の方からのお話。
精神医学の歴史から、
精神障害として統合失調症、パーソナリティ障害、
神経症・・といったそれぞれの疾患について、
心理士としての心理検査やカウンセリング等についてご教示いただいた。

院のときの副査の先生が精神科医だったし、
個人的な興味やらいろいろ事情があって、
そういった関連の本もたくさん読んでいたので、
内容はすんなり入ってきた。
まぁ、通常の病院とはかなり趣が違って、
とても興味深い内容であった。


以前、某精神科病院の方が学会で、
「精神科にも診療情報管理士がいたらいいよ」って
発表されていたのもとても興味深かったので、
精神科病院の中での診療情報管理士の立ち位置というか、
存在意義をどこに持っていくか・・・
そんな話に展開してみるのも面白いのかな〜なんて。




第2部
「第5回LT大会」


発表することに意義がある。
11名の発表者がエントリーしての
プレゼン大会。

学会発表の登竜門的な大会で、
多くの学会発表者を輩出してきたこの会も5年目。
年々レベルが上がってきている感じだし、
みんな凄いねぇ〜って。




第3部
「学会へ行こう!〜抄録の書き方編〜」


LT大会の流れから、
次は学会へ行って発表しようよってな話。
その内容はだいたい以下のようなものであった。

診療情報管理士が学会発表の抄録を作る上で踏まえておきたいこと(2015/04/16)




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懇親会はいつもの如く盛り上がったのだが、
山陽線で人身事故があったとかで、
ダイヤが乱れたもんだから、
一次会で切り上げて帰宅の途に。

一部では二次会で盛り上がったそうで・・・
(・ε・)








【過去の「せとねっと」記事】

第18回瀬戸内医療情報ネットワーク勉強会(2017/05/21)
第17回瀬戸内医療情報ネットワーク勉強会(2017/02/19)
第16回瀬戸内医療情報ネットワーク勉強会(2016/11/20)
第14回瀬戸内医療情報ネットワーク勉強会(2016/05/30)
第13回瀬戸内医療情報ネットワーク勉強会(2016/02/21)
第12回瀬戸内医療情報ネットワーク勉強会(2015/11/23)
第11回瀬戸内医療情報ネットワーク勉強会(2015/08/30)
第10回瀬戸内医療情報ネットワーク記念大会(2015/05/29)
第9回瀬戸内医療情報ネットワーク勉強会(2015/02/25)
第8回瀬戸内医療情報ネットワーク勉強会(2014/11/22)
第7回瀬戸内医療情報ネットワーク勉強会(2014/09/03)
第6回瀬戸内医療情報ネットワーク勉強会(2014/05/28)
第5回瀬戸内医療情報ネットワーク勉強会(2014/01/25)
第4回瀬戸内医療情報ネットワーク勉強会(2013/10/20)
第3回瀬戸内医療情報ネットワーク勉強会(2013/07/13)
第2回瀬戸内医療情報ネットワーク勉強会(2013/04/21)
第1回瀬戸内医療情報ネットワーク勉強会(2013/01/20)
posted by すだち at 16:02| 岡山 ☀| Comment(0) | 診療情報管理士 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月09日

第90回診療情報管理士生涯教育特別研修会・大阪

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8日に大阪にて。
今回は“特別”と銘打っての研修会。

何が特別なのはさておき、
今回の研修会について書きます。

いろいろと思うところが多くて、
かなーり私見を交えた内容なので、
演者や主催者の思いとは違うかもしれませんが、
あくまで個人的な見解であることをご了承いただきたいっ


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●講演「通信教育カリキュラム変更について」

診療情報管理士を取り巻く状況は激変している。
記録の電子化がさらにすすみ、
ICD-11(まだ先の話だが・・)は、
電子的な利用を前提としたもので、
紙で引くことを想定していないものが予定されている。

また、地域包括ケアの中では、
情報連携・・急性期だけでなく、
介護や在宅まで含めた流れとなっている。
あるいは個人が管理するヘルスレコード・・
お薬手帳とか血圧手帳など・・

また、AIの時代が到来しつつあり、
AIが患者を分析し、カルテを読み、再発リスク予測などを行う。
そんな時代が近づいている。

医療ビッグデータ、地域包括ケアシステム・・・
時代の流れに取り残されないためにも、
通信教育のカリキュラム変更は必須事項であったわけで。

科目の変更については、
9章までだったものが12章に再編成された。

もう一つの大きな変更点として、分類法試験の廃止。
ICD-10を使ってコーディングする作業を
試験としてはやらなくなる(平成31年2月の試験より)



診療情報管理士が担う役割とは何か?

そこを再確認していく必要がありそう。
診療情報管理士の仕事としてのコーディング・・
その作業こそがHIMの業務の本質みたいなものだったが、
これからの時代はそこが重要ではなく(まぁ重要ではあるけどね)、
その先にやるべきこと・・そこがポイントであり、
シフトチェンジする過程にあるように感じた。








●講演I「ICFの概要」

ICFの概要についての話。
以前、学会でも話題たったし、
何度も聞いているICFの総論の話なのだが、
話している講師も聞く側も、
「ICFって難解だよね」というところからスタートしてるもんだから、
結局、聞いたあとも「よく分からなかったね」で、
毎回終わっている印象が・・・・

そもそもICFが作られたのが、2001年で
それから10数年も経っているのに、
「ICFってこれから重要になるんだ」という話なのに、
一部では使われているにしても、
普及している感があまりない。

それはなぜか?

どういう運用することで、
どうなるのかという具体的な話になってないことが問題で、
まず、ICFに精通した人材の育成と、
ICFを使いこなせる人材の育成・・
ここをやっていかないと、
総論の話だけやってても、
いまのままではたぶん10年後も
「なんかよく分からないよね」と言ってる気がする。

そもそも診療情報管理士が
ICFとどう向き合うのか?
業務の中でどう関わっていくのか?
・・・そこが見えてくるような話にまで落としこまないと、
なかなか理解が追いつかないのではないかなと・・


私見で言わせてもらうなら、
医療・介護分野で各々の健康状態等を
「見える化」するための一つの方法論としてICFがあって、
シームレスな協働の形をつくっていく・・・
そのための一つのツールとしてのものなんだろうなと。
だから、ICFうんぬんの前に、
もっとやるべきこと、それを使っていくための体制づくり・・
そっちをまずやらないといけないのではなかろうか。
そこの議論をしっかりと深めていかないと、
ICFの総論の話が先行してしまえば、
多くのHIMが頭にクエスチョンマークつけたままで
講義が終わっていく・・・という繰り返しになる気がしてならんのだが。









●講演II「DPC制度のICD-10(2013年版)への対応」

この話ってそもそも業務に携わっている人にしか分からない部分でもあり、
DPC病院か出来高病院かで対応もかなり変わってくる部分なので、
そこから話をしていかないと、置いて行かれる人はスタートの段階で、
キョトンとしちゃったんじゃなかろうか・・・。

それはともかくとして、
2003年版から2013年版への移行作業ってことでいえば、
いまだかつてない大規模な作業なので、
この経験が次にあるICD-11への移行への
一つの布石になるかなーとも思っている。

マスターに頼らず、
記録をしっかりと読むことが要求される作業で、
カルテを読み解ける人材がどれだけいるのか?
診療情報管理士がどれだけ臨床医学に精通しているのか?
・・その部分において、医療機関によって
大きく対応に差が出る可能性って高いよねって危惧を感じた。









●シンポジウム「診療情報管理士の可能性」

これは題目としては漠然としすぎていて、
演者側だったら結構難しいお題だよなぁ〜と思いつつ・・

話をまとめると・・

○紙カルテから電子カルテに移行することによるメリットとデメリットを把握しておく
○データの抽出から分析するまでの技量を身につけること
○医療の質向上と病院経営への寄与

ここら辺がポイントってことで。
でも、もっと違う切り口の話も聞きたかったかな。

あ、形態素解析の話は面白かったな。。



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仙台では医療マネジメント学会が開催されており、
そっちも夜は各地で盛り上がっていたようだったので、
「マネ学会に負けない盛り上がりを〜」
と、しっかりと飲みましたとさっ
posted by すだち at 17:23| 岡山 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 診療情報管理士 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする