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2015年04月16日

診療情報管理士が学会発表の抄録を作る上で踏まえておきたいこと

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酢語録BLOGでは
診療情報管理士を目指す諸氏に向けた記事が多いってこともあって、
学生さんや通教生の方の読者も多く、
「どうやって勉強したらいいんですかぁぁぁ」などの質問メールも沢山いただく。

さらに、
現場で働く診療情報管理士からも、業務に関することで
いろいろと問い合わせをいただいている。

ありがたいことです(^o^)ゞゞ ドウモ


・・・・さて、今度は、
中堅として働く診療情報管理士向けに、
みんなで学会発表しようぜー的な記事も書こうかな〜なんて。

というのも、今度の岡山の学会での発表に向けて、
何人もの方の抄録の添削をメール等で、
やり取りをしてんすよー。

そこで語ってきたことを
ひとまとめにして、
皆さん向けの記事にしておきます。

これから学会で発表しよーと思っている方のお役に立てたなら幸いです。


================


ひらめき「学会発表って何のためにするんですか?」


医学や保健科学もそうだし、
診療情報管理だってそうなのだけど、
自然科学の分野においては、
経験論的法則を導き出す学問ですな。

経験論的法則って何か?

その反対語は決定論的法則で、
例えば面積を求めようとすれば、
「タテ×ヨコ」という計算式で出せる。
これはすでに決定されてるやり方なので、
決定論的法則という。

しかし、我々の現場で起こっていることは、
1+1=2という単純に答えが決まってる世界じゃなくて、
ありとあらゆるパターンがあって、
簡単に法則にあてはめるってことができない。

こういう世界では“経験”がすべて。
経験をどんどんと積んでいきブラッシュアップする必要がある。
しかし、一人で経験することは限られているので、
みんなの経験したことをどんどんと集めないといけない。

それこそが学会発表であって、
論文として公表するってことなのだ。

つまり、診療情報管理の発展のためには、
己の経験を学会で発表し論文で世間に公開しないといかんよってこと。











ひらめき「そうは言っても何を発表すればよいのやら・・・」

ネタ探し・・・これが実はとても難しい。
まずは学会に参加をすること。
他者の発表を見たり聞いたりしながら、
自分ならどうするだろう?
自院に当てはめたらどうなんだろう?
・・と常に考えておくとよい。

ネタってどうやって思いつくかというと、
案外、思いがけずに頭に浮かんできたりする。
パソコンの前に座って、さあ考えよう〜
と思っても何も浮かんでこなかったりするが、
全く違うことをしているときに
ふいに「これだっ」って来るんよね。
そういうときは、サッと一言でもメモること。
あとになって思い出そうとしても、
時間が経つと思い出せなかったりするので(*^^*)


「学ぶとは“まねる”こと」
師からの教えなのだが、まずは誰かをマネろと。
他者の発表してるネタの中で、これいいねっと思うものがあれば、
それをマネるところからスタートするといい。
発表には作法もあるし、フォーマットもある。
そういったのは、真似ることによって体得できる。


「諸先輩に聞くこと」
一人で悩んでモンモンとしても、
そう簡単に答えなど出ない。
学会発表をしている諸先輩方から、
話を聞くのはとっても有用だし、
そんな話の中から
「こんなネタなんかどう?」って
ヒントを貰うことだってあるかもしれない。













ひらめき「ネタは決まったものの抄録ってどう書くの?」

どういう構成で書くかは決まってるので、その決まってる通りに書けばよい。

【目的】または【はじめに】
【方法】
【結果】
【考察】
【結語】

この順番ですわな。
ただ気を付けないといけないのが、
「経過の羅列をしてはいけない」ということ。
どういうことかというと、
行なった順番通りに書く必要はないってことだ。

これは、抄録を読んでるとたまに見かけるのだが、
順番通りに書いてあって、
やってるうちに当初の目的から変わって行ってる・・・なんて。
実はありがちなことだったり。

どうすればよいかというと、
「読者に分かりやすいかどうか」
これを追求する作業が大切なのだ。

抄録を読む人たちは、
私(筆者)の知らない人たち、
私(筆者)の職場の内情なども何も知らない人たちだ。

同じ職場の人たちが読めば分かる内容でも、
そうでない人たちには事情が分からないわけだから、
そこをいかに分かるように書くかがポイントとなる。
これは自分で書いてるときには気づかないことも多いので、
他の職場の人たちに読んでもらうのも一つだ。

そして、長文は避けること。
日本語は接続助詞の“は”とか“が”で繋ぐと、
どんどんと長くなるのだが、長すぎると、
内容が曖昧になってしまうのでなるべく短めにすること。
これ大事。








では、次にそれぞれの項目について。

1【目的】または【はじめに】
ここではその研究の位置付けとか社会的背景があって、
その背景を踏まえてどういう目的で何をやるかを書く部分。

目的って実は抄録の中では一番重要な部分で、
目的がシッカリしていれば、その後の文章もブレない。
逆に目的が曖昧だと、何が言いたいのか分からないものになりがちだ。

まだどういう流れで書こうか迷っているようなときは、
ここは後回しにして、後半の文章ができてから、
ここに取り掛かるほうがすんなり書けることも多い。


2【方法】
どういう方法でデータを取るのか、
どんなことをするのかを書く部分。



3【結果】
得られた事実を書く部分。
基本は得られたデータだけを書くので、
自分の考えなどを入れてはいけない。


4【考察】
導き出された結果からどんなことが考えられるのかを書く部分。
抄録の中で自分の主張ができるのはここだけである。
ここで主張したいがために研究ってするわけですから。


5【結語】
「ようするにこういうことです」ということを書く。
目的に対する結語になるようにすることが重要で、
目的が達成されたことを書くようにするのがよい。
ただし、自身の主張は考察で書くことなので、
結語で新たな主張は書かないほうがよい。
学会によっては「結語」や「結論」は
省略してもよいというような場合もあるので。












さて、原稿が出来上がったところで演題名を決めましょー
ポイントは二つ。
一つは「コンパクトに」
もう一つは「内容を的確に表現する」

学会に参加する人がどの発表を聞こうと思うかの判断材料になるのが
この演題名なので、これを見たらどういう内容の発表かが分かるってのが理想。
そして、字数の制限もあるのでいかに「コンパクト」にするかも考慮する。
俳句を作るのと同じで、パッと読んでイメージが浮かぶかどうかだ。











ひらめき細かな文章のテクニック

ぴかぴか(新しい)「〜と考えた」と「〜と考えられた」

「〜と考えた」であれば、その主語は「私」なるので、
筆者自身が考えた事ってことなる。

「〜と考えられた」は、文法的には推量と呼ばれる表現で、
「考えることができる」と置換えることができる。
つまり、普通なら考えるだろうけど、考えない場合もあるよね〜くらいの意味になる。
この場合、主語は「私」とはならない。
なぜならば、「私」自身が書く文章なので、
そもそも“考えた”か“考えてないか”の二択しかないから。
なので、「〜と考えられた」の主語は、一般的には、「世間の人」ってことになるのだが、
学術の世界では、“同じ分野の人たちの中での一般的な考え”を表す。

だから、「〜と考えられた」と書くと、
その根拠は何かを示す必要がある。
例えば、そういう論文が世に発表されてるとか・・・。

但し、以下に注意すること。
【考察】【結語】では、
自分が考えて出した結論であっても
「〜と考える」という表現は原則やめたほうがいい。
【結果】から客観的・合理的に導き出される結論を書くのが【考察】【結語】なので、
同じ分野の人たちなら、この【結果】を見れば、誰もが同じ結論に達するはず・・・
というのが学術の世界での考え方だから。
だから【考察】【結語】では「〜と考えられた」に。

そうは言っても、そもそも抄録や論文は、
筆者の考えたことを文章化しているものなので、
そもそも「〜考えた」とか「〜考えられた」など不要である〜
という研究者もいるので、あまり多用しないほうが無難である。











ぴかぴか(新しい)「〜ではないだろうか」

学術の世界ではとても嫌われるのが曖昧な表現。
研究した以上はキッチリ言い切る形にしろ〜って言われたり。

その反面、
学術の世界では100%でないものを断言してはいけないとも言う。

どうすりゃいいの?

「〜ではないだろうか」は「〜である可能性が示唆された」とすればよい。
可能性が示唆されたって言葉は、そうかもしれないしそうでないかもしれないけど、
まぁそうなんじゃなかろうか〜くらいの意味なので、
メチャメチャ曖昧な言葉ではあるが、学術の世界ではこれでOKだったりw

断言してはいけないってのはどういうことかというと、
ある研究者が「スタップ細胞はありますっ」ってテレビカメラの前で断言してたけど、
結果として無いってことが明らかになると、それは嘘つきになってしまうわけで。

だから、研究者たるもの、ああいう場で答えるなら、
「私の研究した範囲ではスタップ細胞の存在が示唆されたのです」
程度に留めておかなければならないってことだ。
あんな隙だらけで博士号って・・・(*○*;)オボチャン

ちょっと話が脱線しましたが(^^;;) エヘヘ・・



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診療情報管理士の地位向上のために、
診療情報管理が発展していくために、
みんなが、現場で得た経験を、
みんなで共有していこう。

それが学会という場なのだと。


posted by すだち at 19:48| 岡山 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 診療情報管理士 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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